自治体の食品ロス削減施策には何がある?

自治体の食品ロス削減施策には何がある?
監修:環境保全研究所
食品ロス、ごみ処理、資源循環、気候変動などの環境情報について、公開資料との整合性を確認しています。

自治体 食品ロス 取り組みは、家庭での買い物や保存の見直し、環境教育、外食での食べ切り、地域イベントでの食品活用など、複数の場面に広がっています。この記事では、環境省のマニュアルに掲載された自治体事例を、施策の種類ごとに整理します。

以下の事例は環境省マニュアル掲載時点の内容です。資料から実施年度が確認できない事例を含むため、現在の実施状況や条件は、各自治体・実施主体の最新公表情報で確認してください。

自治体施策の全体像

自治体の食品ロス削減施策は、家庭での消費行動、学びや体験、外食時の行動、地域での食品活用といった切り口で整理できます。施策の方法だけでなく、資料に示された指標の種類も分けて見ることが重要です。

施策分類 自治体事例 主な方法 資料に示された指標・特徴
体験・環境教育 越谷市 調理くずの記録、使い切り・残り物アレンジの体験 班間で調理くず量に約3倍の差
家庭・買い物 世田谷区 複数主体が連携した買い物体験 理解が深まったとの回答
家庭・啓発 横浜市 冷蔵庫を確認する日を定めた啓発 チェック約74%、食材使用約68%
外食 静岡県の事例 完食した来店客への割引 食べ切りを促す行動変容施策
持ち帰り 大津市 食べ残しを持ち帰る適切な方法の周知 持ち帰り促進
地域イベント 三重県の事例 規格外品等の低価格販売 地域イベント事例

越谷市では、環境省マニュアル掲載時点に、調理くず量を班ごとに記録し、食材の使い切りや残り物アレンジを体験する教室を実施していました。資料では、班間の調理くず量に約3倍の差があったと示されています。この数値は、当該教室内の班ごとの比較です。

地域で食品ロス削減に取り組むイメージ

家庭の行動変容施策

家庭向けの取組では、食材を買う場面での判断に着目した事例があります。世田谷区では、環境省マニュアル掲載時点に、小売店・大学・消費者団体・学校が連携した買い物体験を実施していました。

資料には、参加者から理解が深まったとの回答が示されています。ただし、これは当該事例における回答であり、食品ロスの削減量を示す数値ではありません。

事例を読むときの確認手順

  1. 小売店、大学、消費者団体、学校など、連携した主体を確認する。
  2. 買い物体験のように、参加者が何を行ったかを確認する。
  3. 「理解が深まった」といった回答と、削減量の数値を区別して読む。
家庭で冷蔵庫内の食品を確認するイメージ

学校・環境教育

食品ロスに関する環境教育には、教室での体験活動だけでなく、家庭内の食品を確認する行動を知らせる啓発もあります。横浜市では、環境省マニュアル掲載時点に、毎月10日と30日に冷蔵庫を確認する行動を啓発していました。

資料では、冷蔵庫をチェックした割合は約74%、見つけた食材を使用した割合は約68%と示されています。これらは横浜市の当該取組で示された割合であり、ほかの地域にそのまま当てはめる数値ではありません。

冷蔵庫の確認日を定める方法は、「確認する」「見つけた食材を使う」という行動を分けて把握できる点が特徴です。施策の効果指標を見る際は、何を確認した割合なのかを資料上で読み分けます。

外食・持ち帰り施策

外食分野では、店内で食べ切る行動を促す方法と、食べ残しを持ち帰る際の情報を周知する方法があります。

静岡県の事例では、環境省マニュアル掲載時点に、完食した来店客への割引により食べ切りを促していました。資料では、外食時の行動変容施策として紹介されています。

一方、大津市では、環境省マニュアル掲載時点に、食べ残しの持ち帰りに関する適切な方法を周知していました。こちらは割引による食べ切り促進ではなく、持ち帰りを促すための情報提供に位置付けられる事例です。

外食時の食品ロス削減を考えるイメージ


地域イベント・流通施策

地域イベントや流通に関わる施策では、食品を販売・利用する機会に着目した取組が見られます。大津市の事例は、食べ残しの持ち帰りに関する適切な方法を周知し、持ち帰りを促進する内容です。

持ち帰りに関する施策を確認する際は、周知の対象や案内内容を分けて確認すると、その取組が「食べ切りの促進」なのか「持ち帰りの情報提供」なのかを整理できます。

事例を現行確認する方法

資料に掲載された事例を現在の取組として参照する前に、自治体の公式情報で実施年度、対象、実施主体、開催・募集の状況を確認します。

  1. 自治体名と「食品ロス」「事業名」「イベント名」などを組み合わせて公式サイト内を探す。
  2. 掲載日、実施年度、開催日または募集期間を確認する。
  3. 実施主体、対象者、会場、参加条件を確認する。
  4. 終了した事業か、継続または更新された事業かを確認する。

三重県の事例では、環境省マニュアル掲載時点に、規格外品等を低価格で販売していました。資料では地域イベント事例として紹介されています。現在の開催有無や販売条件を判断するには、三重県または関係する実施主体の最新情報で、開催年度と実施状況を確認します。

地域イベントで食品を活用するイメージ

よくある質問

食品ロスと生ごみは同じですか?

同義ではありません。例えば、越谷市の事例で班ごとに記録された調理くず量は教室内の記録項目であり、その数値を食品ロス量そのものと同一視することはできません。

最新の食品ロス量は毎年変わりますか?

数値や制度は更新され得るため、資料の公表年度を示したうえで、国や自治体が公表する最新資料を確認してください。本記事の自治体事例は環境省マニュアル掲載時点の内容です。

家庭で最初に取り組むべきことは何ですか?

発生抑制を優先するなら、購入前に家庭にある食材を確認することから始めます。横浜市の事例のように、冷蔵庫を確認する日を決め、見つけた食材を使う行動につなげる方法もあります。

まとめ

自治体の食品ロス削減施策には、買い物体験、調理くずの記録を伴う教室、冷蔵庫確認の啓発、外食での食べ切り促進、持ち帰り方法の周知、規格外品等の販売があります。事例を比べる際は、自治体名、実施主体、対象、方法、資料上の指標を分けて確認し、現行情報は公式発表で確かめましょう。

参照資料

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